【読書感想文】となりの億万長者

20年以上出版され続けている本

となりの億万長者 – トマス・J・スタンリー (著), ウィリアム・D・ダンコ (著)

まず、この本は1997年に書かれた内容でありながら、20年以上にわたり出版され続けているということが特筆に値します。

簡単に言うと、「金持ちとはどんな人のことを指すのか?」という内容で、アメリカの高所得者(年収15万ドル以上)の様々な人をインタビューして、その中で資産を築けている人とそうでない人、それを分けるにはどんな要因があるのかを解説しています。

「普通の人」こそが本当のお金持ち?

本当のお金持ち(資産家)は、見栄のためにお金を使いません。
高級住宅街に住まず、実用性のある車に乗り、高価な時計やスーツも身につけず、また、子供にも必要以上の小遣いを与えないのです。

つまり、外から見て到底お金持ちには見えない「普通の人」こそが、本当に資産を築いている人が多いという結果が出ています。
そして余ったお金はただ遊ばせず、投資に回します。

彼らは決まって「お金があるのにそんな質素な生活で幸せなんですか?」と問われるそうですが、「もちろん幸せですよ」と胸を張ります
“彼らは、お金の心配をしないことのほうが、世間体を取り繕うよりもずっと大切だと考えている”
こういった生活をしている人は、もし仕事を失うことがあっても10年以上は余裕をもって生活ができるのだというのです。

マスメディアの歪んだ焦点

こういった「お金持ちだと思われていない本当のお金持ち」は、マスメディアに取り上げられることもありません。
こういった生き方は世間的には「かっこいい」とはされません。
アメリカの消費文化では「稼ぐこと」と同様に「使うこと」が成功の証とされています(日本もほぼそういう風潮ですよね)。
アスリートや芸能人などのように高級取りでかつ豪華な生活をしている人たちが成功者とされるのは、メディアがそういった風に仕向けてしまったからです。
だから年収15万ドル以上を稼ぎながら一向に資産を築けない人は多いようです。

日本の老後2,000万円問題の本質

自分がこの本を読んでいた頃、日本では「老後2,000万円問題」が世間を騒がせていました。
世間はなぜかこれを年金の問題とすり替え、政府を攻撃しました。
この本を読めば分かる通り(繰り返しますが1997年に書かれた本です)、資産を築くためには余計な出費をしないことです。
余計な出費をしないこととは、無駄な見栄を張らないということです。

しかし、野党は政府を攻撃するための口実として、マスメディアはこの「本質」を悟られては困るために年金の問題としました。
みんなが倹約してお金を使わなくなると経済が落ち込み、スポンサーが困るからです。

そんなに難しい内容ではないので、「老後2,000万問題って結局どうなんだ」と思っている方もぜひ一読をお勧めします。
そのためのヒントがこの本にはたくさんあります。

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