令和5年度 行政書士試験: 変化する出題傾向
11月12日に令和5年度の行政書士試験が行われました。
今年は憲法が相当難しかったそうですが、その兆候は私が受験した去年の試験からあったように思います。
大体のテキストや講師では「憲法の条文は丸暗記しろ」と指導していて、かつては条文の穴埋め問題や、有名な判例が繰り返し出題されていましたが、その傾向がだいぶ変わってきました。
宅建や簿記2級くらいまでの試験であればある程度のセオリーや戦略というものがあり、予備校や通信講座のカリキュラム通りにこなしていればほぼ合格に近くなるようになっています(それでも簡単な試験とは言えません)。
一方で、行政書士試験は私は1年目で通信講座を受けて合格できず(148点/うち記述8点)、2年目はほぼ独学のみで合格できた(216点/うち記述46点)ため、自分の中で独学よりも通信講座が良いという前提が崩れることになりました。
行政書士試験の難しさとその対策について
行政書士の試験の難しさは他人の言うことを鵜呑みにするだけでは合格できないところにあると思います。
これはどれだけ実績がある予備校や講師の言うことでも同じです。
試験の出題者(行政書士試験研究センター)はそうしたセオリーや必勝法だけで合格できないようにとにかく対策を打ってきています。
今年は憲法が難しい分、商法・会社法がやや解きやすかったようですが、昔からよく言われている「記述の点数をあてにせず、択一だけで180点を目指す」というのも、目標としてはいいのですが、実際に取れるかというと昨今の難易度では現実的ではないと思います。
「最初から取らせる気のない」問題が択一で増えている一方で、記述問題は3問とも「手も足も出ないことはない」レベルになり傾向が変わってきているように思います。
勉強のやり方としては問題をひたすら解くのか、テキストや条文を読み込むのか、書いて覚えるのか、頭で理解するのか・・・やり方は千差万別、人それぞれです。
重要なのは自分に合った勉強法にいかに早く気付けるか、そのやり方に日々勉強しながら少しづつアジャストしていけるかだと思います。
一般知識の文章問題でも「自分で考えて自分で行動しろ」みたいな趣旨の問題がたびたび出題されている気がします。
いざ行政書士として活動することになれば、なおのこと自分自身で判断しなければならないという覚悟を持て、というメッセージ性も感じます。
単なる暗記や過去問題を解くだけでなく、その法律がそうなっているのは何故か、裁判の判例はどのような理由で下されたのか(どういう背景があったのか)、バックボーンとなる理解が求められます。
そうした分野に興味を持てるかということもポイントなのかなと思います。