以前の記事では資格の価値判断を一概に論じることは難しいと書きましたが、実務経験から、確実にプラスになったと感じる資格を3つご紹介します。
なお、詳しい試験情報は各資格の公式サイトでご確認ください。
FP技能検定3級
保険、税金、不動産、投資など、お金にまつわる知識を網羅的に学べる資格です。
学科・実技の2つの試験があり、両方の合格でFPの肩書が得られます。
お金の知識は現代社会の必須スキルであり、本来は義務教育で教えるべき内容だと思います。
金融機関では実務前の必須資格となっており、保険業界でも注目される資格です。
私は2級まで取得していますが、3級と2級では問われる内容にさほど違いがないため、FPとして活動するのでなければ3級で十分です。
初めての資格試験としてもお勧めですが、範囲が広いため、最初にテキストを読んでから問題を解こうとしても案外身についていないということも多いです。
こちらの記事にも書いていますが、FPの勉強法に関してはいきなり過去問から始める方が良いと思います。
2級を受ける場合は、3級からそのままステップアップすると細かい知識が要求されるため、先に簿記や宅建を合格してからだと「強くてニューゲーム」ができます。
日商簿記2級(3級)
お店や会社がどうやって利益を上げて運営していくのか、「原価」とは何が要因となるのか、「株主」とはどういうところに関わってくるのか、ビジネスにおいて必要な知識を得られます。
できれば2級まで取れると良いのですが、いきなり2級を受けるのは内容が相当難しいので、まず3級から受けたほうが良いです。
その3級でも最初は借方や貸方といった独自の用語や、仕訳などが大変なので、世の中に3級と付く資格の中でも一番難しいと言っても過言ではありませんが、慣れてくると計算のパズルのような面白さも感じます。
個人事業主の確定申告にも役立つ知識が多く、FP3級と合わせれば基礎知識としては充分です。
私は3級は独学、2級は通信講座で学びました。
この資格がきっかけで株式投資にも興味を持ち、実践するようになりましたので、簿記を理解するために通信講座にお金を使うのも良い自己投資と言えるのではないでしょうか。
宅地建物取引士(宅建)
主に不動産の仲介や継続的な売買のためには必ず宅地建物取引士(宅建士)を一定数、事業所に設置しなければならず、重要事項説明などの独占業務を持つため、不動産業界においては常に大きな需要があります。
不動産取引の重要な国家資格で、業界での需要が絶えません。
知名度も高く、不動産業界以外での評価も高い資格です。
特に、自分がアパートを借りようと不動産の仲介屋さんに行った時にさりげなく自分は宅建を持っていることを伝えると相手の態度が急変します。
宅建業法としてやってはいけないこと、必ず説明しなければならないことなどが決められているので、誤魔化しが効かなくなるからです。
私は宅建士としては活動はしていませんが(免許は取得済)、それでも建設業界の方との商談で有利に働く経験がありました。
ただし勉強はほぼ暗記が中心なのでつらい上、難易度の高い民法の問題が初っ端に来たりするので対策を知らないと合格できません(行政書士の民法と同じかそれ以上の難易度の問題が出ることもあります)。
250時間前後、勉強すれば合格できる資格ですが、周りの受験生のレベルの上昇に伴い、合格ラインも年々上昇傾向にあるため、チャレンジするなら早めがお勧めです。
宅建も予備校、通信講座、独学などの手段がありますが、不動産業界に就職する予定でお金と時間の余裕がある人は予備校、お金に多少余裕がある人は通信講座、資格勉強を既にしていて一番いいやり方を理解している方は独学を選ぶ選択もあります。
自分は通信講座を使いました。