FP3級の勉強方法

以下の記事で、個人的に取得をおすすめする資格を挙げています。

このうち、FP(ファイナンシャル・プランニング 技能検定)3級は、初めて資格試験を受けようとする方にもおすすめの資格で、国家資格であり知名度もあるため、業種によっては勤め先の会社から資格取得するように言われることも少なくないと思います。

しかし、何の対策もせずに合格できるほど簡単な試験ではありませんので、今回はFP3級の勉強方法について解説します。

FP3級試験の傾向を知る

古代中国の兵法書、孫子の有名な言葉に「彼を知り己を知れば百戦殆からず」という言葉があります。
敵の実力(実態)と自分の実力を把握していれば、負けることはないという意味です。

FPに限らず資格試験にチャレンジする時は、その試験がどういう傾向にあり、自分がどういうスタンスで勉強していくかを掴んでいくことが大事です。

FP3級はざっくりと言うなら以下のような試験となります。

1. 6割(学科は60問中36問)の正解で合格できる
2. 基本的に選択肢は2択問題と3択問題から半々で出題される
3. 広く浅くの出題(税金・保険・不動産・投資・相続など)

4. 実技の一部には計算問題が出るが基本的な四則演算ができればOK(実技は全体的に学科より易しい)

この4点を踏まえて、以下に詳細を解説します。

アウトプット(問題を解くこと)を大事にし、インプット(テキストを読む)に時間を掛け過ぎない

FP3級レベルでは「広く浅く」の知識を求められます。

これは他の資格試験にも言えることなのですが、FP3級の場合も「どれだけ早く問題を解くフェーズに移行するか」がキーだと思います。
勉強開始時はまずテキストを読んだり解説動画を見ることから始めることが多い訳ですが、正直なところ、FP3級はいきなり過去問から解き始めても良いと思います。

テキストもそれなりの厚さがあり、分野も広いため、1つ1つをしっかりと理解してから先に進もう、と考えるとかなり時間が掛かってしまいます。
そしていざ問題を解こうとした時には忘れてしまっていることも多いのです。
特に「テキストを全部読み終わってから過去問を解く」というやり方は危険なので、この沼にはまらないようにしてください。

いきなり問題から解く場合は最初はほとんど正解できないのですが、当然のことなので全く問題ありません。
最初の1~2週目は「どういう問題が出題されるのか」の傾向を軽くつかみながら、解説も軽く読む程度で構いません。

例えば学科試験の1問目はほぼ必ず「FPは他士業(社労士や税理士など)の専門業務に手を出してはいけない」という趣旨の問題が出ます。
これは「一般的な説明はOKで、個別具体的な相談や手続きはNG」という意味です。

その趣旨(ポイント)が理解できていれば、問題の中身が少し変わっても解答できることになります。
FP3級の場合は、「問題の趣旨」そのものは毎回大きな変化はありません。

問題集の答えにも解説が書いてあることがほとんどだと思いますが、この解説を読んだだけである程度の理解ができた場合は、テキストに戻る必要はありません。
どうしても難しいと感じた問題だけ、テキストに戻り復習をすると良いでしょう。
この時、「どういう形で出題されるか」が分かった上でテキストを読むことになるので、理解度がより高まります。

このようなやり方で過去問を周回していきます。
最初は質より量で、4~5週くらい問題を回します。
周回すればするほど、「この選択肢はなぜ正しいか or 間違っているか」の理由をしっかり考えた上で選ぶようにしてください。

難しい問題に固執しない(完璧主義を捨てる)

FPの試験では法改正やトレンドに合わせた、テキストや問題集に載ってない問題が1~2問出題されることがあり、しかも最初の方の問題に出題されることがあります。
これは「見たこともない問題をあえて最初のほうに配置することで受験生のペースを乱す」という出題者からの意地悪であり、ここで受験生をふるいに掛けようとしているのです。

宅建や行政書士など試験の難易度が高くなるにつれ、この傾向が顕著になります。

このような問題は後回しにするか、勘で答えを決めても良いです。
しっかりと対策をしていれば「これはそういう問題なんだ」と気づくことができます。

また、どうしても苦手分野だと感じた問題についてもあまり拘りを持たないほうが良いです。
1番最初にも記述した通り、FP3級の場合、問題の選択肢は2択か3択なので、適当に答えを選んでも正解する可能性はあり、また6割の得点で合格できるので、一つの問題に固執せず、ペースを乱さないようにすることが大事です。

得意分野を伸ばし、苦手分野はほどほどに

例として宅建を先に合格している、もしくは同等の知識を持っている方は10問くらいはほぼ何もせず正解できます。
建築基準法や相続など宅建で勉強したところがほぼ(宅建よりも簡単になって)出題されます。
60問中36問正解で合格できるところ、既に10問正解できるのだとしたら相当なアドバンテージがあります。
そうなると「保険関係がちょっと苦手だな」と思っても十分合格ラインに近づきます。

同様に既に投資経験がある方はNISAなどの出題は朝飯前だと思いますし、社労士は保険関係、税理士は税関係で落とすことはほぼ無いはずです。

今の時点で明確な得意分野が無かったとしても、何度か問題を解いて「この分野は面白そうだな」と思ったら、そこを強化して得意分野にしたほうが勉強をする上でもモチベーションが続きやすく、苦手分野を1つくらいは落としても何とかなるという配分になります。

実技試験の対策

実技試験に関してはきんざい(金融財政事情研究会)か日本FP協会を選択し、きんざいの場合は「個人資産相談業務」か「保険顧客資産相談業務」のどちらかを選びます。
日本FP協会を選択した場合は「資産設計提案業務」のみとなります。

また、きんざいと日本FP協会のどちらを選んでも学科試験の内容は共通になります。

実施団体試験科目1試験科目2
きんざい(金融財政事情研究会)個人資産相談業務保険顧客資産相談業務
日本FP協会資産設計提案業務

どれを選ぶかはご自身の中で一番興味がある分野を選ぶと良いでしょう。
ただし会社から受験するように言われている場合は、前もってどの実技試験を受験するか指定されることもあり得ます。

実技試験は、「お客様にどのようにアドバイスするか」と言った実務に即した問題が出題され、金額の計算問題などもありますが、そこまで複雑な問題は出題されません(電卓を持ち込むことができます)。

学科試験の知識や解き方をある程度積み上げてから、実技試験の対策に入ると良いです。

学科試験の知識がある程度備わっていれば、実技試験の方が素直な問題が多いと感じるかもしれません。

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